120色のアイカラー、101色のリップ、99色のネイル・・・等、マリーのコスメは一層、カラーが充実しました。しかも、一見似たような色も、実は質感や微妙なトーンが違っていて、肌やくちびるにのせると思いがけない違いにビックリさせられることもしばしばでした。
女性を美しく見せる色がこんなにあったの・・・と感心してしまうほど、マリーのみずみずしい感性は、魔法のように、あらゆる色をコスメにしてしまいました。
これだけ揃った色の中から、自分だけの組合せを考えたり、迷いに迷いながら色を選び出す楽しさ・・・、マリーのショップには自由と遊び心があふれていました。
遊び心と言えば、マリーはリップやネイルに彼女らしい名前をつけていました。
(101+99=200・・・200色のすべてに)
それは、はじめてコスメを創ったときからず~っと続けてきたことです。例えば、「ジェラシー」「バブルガム」なら、まだ何となく色もイメージできそうですが、「出来心」「真夜中の祝宴」「東京のハイカラさん」とか「ゴーストライター」「憎まれ口」に至っては、???。でも、「色」を手に取ると、「な~るほど」なんて、みょうに納得できてしまうから不思議。
マリーはこのネーミングを考える仕事がとても気に入っていました。ユーモラスで楽しくないと・・・。
でもスタッフの中で、名付け親として最も才能を発揮していたのは、今は亡き夫アレキサンダーだったことを、マリーはその都度、思い出すのでした。
マリーのイマジネーションから生まれたカラーコスメが発売になったその年、ロンドンのマリー・ショップに続いて、パリのサンジェルマン・デ・プレのボナパルト通りに、マリーの直営ショップ2号店が誕生しました。
1996年のことです。
そして、1998年には、高級ブティックが軒を並べるニューヨークのマディソン街にも・・・。ニューヨークのショップは、ナイツブリッジにあった第二の「バザー」とどこか雰囲気が似ていました。マリーが特に気に入ったのは、上がギャラリーになっている中二階があって、片側に印象的な階段があること。
マリーを迎えてのオープニングは、それはもう、華やかでした。