ニューヨークのお店は、ナイツブリッジにあった第二の「バザー」とどこか雰囲気が似ていました。
マリーが特に気に入ったのは、中二階があって、片側に印象的な階段があること。白木の床、白い壁、モダンで若々しいライティング・・・。その中で、唯一「色」を主張しているのがコスメでした。シンプルな黒・白・シルバーのケースに、デイジーのロゴが飾られたコスメ。
「ここは、大人のための洗練されたキャンデーショップみたいなもの。ここに来て、色と遊んで、楽しんで欲しい・・・。」オープンにあたって、マリーはこんなふうにスピーチしました。
マリーのショップに行けば何かが見つかる。楽しさに出逢える。
それは、世界共通です。
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「大人になるのはイヤ」だと泣いたこともあるマリーも、「年をとることがこんなに魅力的でワクワクするものだなんて・・・」と、思うようになりました。
経験や知識が与えてくれる人生の読解力(若いとき、見えなかったことも見えてくる・・・)が、毎日をより広く深いモノにしてくれるからだと言います。
デザイナーだって、年を重ねていくことで欲しいモノが変わるのは当然のこと。
でもそれは、若いからエネルギッシュでエキセントリックなものを創り、成功しまろやかになったから、落ち着いたクラシックなラインになるというのではなくて・・・。
感性のアンテナさえ鋭くしていれば、いくつになってもアバンギャルドなセンスの持ち主は「時代の先を行く作品」を生み出すことができるはず。
マリーは、「なぜそうあらねばならないのか・・・」から始まる「逆転の発想」に立って、いつも「未来」を先取りし続けてきました。「ファッションとは、常に自分を新しくしてくれるモノ、そして楽しめるモノ。人生のスパイスのようなモノ」だと彼女は考えています。
マリーはこれからも、時代を、そして私たちを刺激し続けてくれることでしょう。
マリーのショップをのぞいてみてください。きっとあなたにも、マリーのメッセージが聞こえてくるはず・・・。
「もっと冒険しようよ。もっと欲張りになろう。すべてのルールを忘れて・・・。」ってね。