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EPISODE 41:3度目の訪日

マリーの「デザイナーとしての活躍の場」はますます拡がっていきました。

ライフスタイルのすべてが対象と言ってもいいほど。と同時に「彼女は専門的にビジネスを学んだわけではないが、本能的に優れたビジネス・ウーマンだ。経理についても、勘の良さで、重要な指摘ができる。」と、共同経営者のアーチーに評価されるほど一流の経営者に成長していました。でも、マリー自身は、「確かに今、会社の仕事はすっかり組織化されているけれど、私は相変わらずデザイナー。今でもチームを抱えて仕事をしているし、これからもデザイナーであり続けたい・・・。」と思っていました。そんな彼女の仕事の中でも、コスメのデザインは大きなウエイトを占めていました。

ある日マリーは、リップスティックとネイルをモデルチェンジしようと思いつきました。

そして、1982年。マリーは新しいスタイル、新しい36色のリップ&ネイルを携えて、日本に向かいました。

そのときのマリーのいでたちは、膝小僧がぴょこんと出る程度の黒のミニ、華奢な脚をつつんだ黒のストッキング、そして黒のプレーンな中ヒール。そして、ヘア・スタイルは日本へ旅立つ直前に、仲間のヴィダル・サスーンがデザインしたショートカット。「ミニが似合う大人の女性」を感じさせるファッションでした。

マリーは積極的にアピールしました。「先入観にとらわれず、自分の好きな色を選び、自分なりのコーディネーションでメイクを楽しんで欲しい。メイクはノン・ルール。どんな革命的な色でも、どんどん使いこなして欲しい。青とか黒といった色も常識的な赤と重ねると、驚くほどナチュラルで新鮮な色が創れるから・・・」と。

あきらめたり、ないものねだりをすることが大っ嫌いなマリーらしい発想で、欲しい色、自分だけの色をつくればいい・・・という提案を投げかけました。マリーは、いろんな色を試す楽しさを日本の女性にも知って欲しかったのです。ロンドンの人たちのように・・・。確かに、メイクに関してはヨーロッパの人たちの方が大胆でした。彼女たちは、色つきのコンタクトまで使って、自分なりに自由に自己表現することが上手でした。

でも、ファッションは・・・。

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