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EPISODE 23:第2回コレクション発表

プロモーション・ツアーは想像をはるかに越えるハードさでした。でも、マリーたちはそれを見事に乗り切りました。大きな成功とともに・・・。

ツアーを終えて、ピューリタン社のカール社長との満ち足りた週末をボストンで過ごしたマリーたちは、再びニューヨークに戻ってきました。

この日から4日間、ジャーナリスト向けに「ピューリタン社の第2回コレクション」の発表が予定されていたからです。新聞の取材やラジオ・テレビへの出演、ショーが組まれていました。

アメリカ人は、ショーを見るときは豪華な食事をとりながら・・・というのが好き(?)なのでしょうか。そういえば、はじめてのプロモーションパーティのときも、テーブルにはありったけのごちそうが並んでいました。

この日も朝食をとりながらのモーニングショーでした。

ショーの演出はこうでした。

舞台には野営用のベッドが4つ、それぞれの枕元にクラシックな電話機。どのベッドにも鼻先まで毛布をかけた女性が寝ているという設定。電話のベルがひとつづつ鳴って、女性がひとりづつ、目をこすったりあくびをしながら起きあがると・・・突然、ベッドから4人が飛び出してくる。見ると4人が着ているのは新しいデザインのドレス・・・という趣向でした。これは実に効果満点の演出でした。会場が賑やかな笑い声に包まれ、楽しい雰囲気になりました。普通ジャーナリストたちは、そう簡単に拍手をしない人種だと思われているのですが、さすがにこの時ばかりは大変な拍手がわき起こりました。

マリーは、今回の3週間半を費やしたプロモーション・ツアーでも、そして今回の第2回コレクション発表のショーでも、大きな成果を残しました。ロンドンを発って、約1ヶ月の行程でした。言葉では表現しきれないぐらいのハードな仕事でしたが、こうしてすべてが終わってみると、重い責任を果たせた満足感だけがマリーの心を占めていました。

マリーたちがロンドンに戻る日が来ました。

ニューヨークからロンドンに向かう飛行機の中で、マリーたちは急にロンドンのことが心配でたまらなくなりました。こんなにも長い間、ロンドンを離れたことがなかったからです。留守の間、オフィスやショールーム、事務所はどうなっているのだろうか。気になりだすと、良くない想像ばかりが頭に浮かんできます。

でも、ロンドンに戻ってみると、悔しいくらい何もかもがうまく運んでいました。スタッフ全員、みんな一糸乱れぬ仕事ぶりでした。

私たちの事業はここまで成長した・・・マリーはとても幸せでした。

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