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EPISODE 28:化粧品をデザインする

マリーは「服に合うメーク(コスメ)」がないことに気付きました。「顔にもファッションを持ち込みたい」・・・それが、化粧品業界という新しい分野に飛び込むきっかけでした。アクセサリーや靴、バッグを選ぶのと同じように、全体を美しく見せるコスメ、自分らしく自由に楽しむことのできるルールにとらわれないコスメを創りたいとマリーは思いました。

今でこそ珍しくもありませんが、デザイナーが自らのファッション感覚で化粧品を創るというのは、これが初めての試みでした。

「私ならではのスタイルのあるもの。ファッション性が高くて、しかも簡単なもの。」・・・構想はふくらむばかり。そこでマリーは、服の色やムードにマッチさせるために、ファッションから色をとり、遊ぶことからはじめました。絵の具やクレヨンや舞台用のコスメを混ぜ合わせて好みの色をいろいろ創り、それをイギリスでは老舗の一流化粧品会社に持ち込んで、開発を依頼しました。「商品は色。パッケージは黒・白・シルバーでまとめ、デイジーのロゴを使おう。」とマリーは決めていました。おなじみの「デイジー」マークは、マリーがいつもラフスケッチに描いていた「落書き」から生まれたもの。そのシンプルな型はとても魅力的で、どんなデザインにもピッタリ。企画の初期段階から、彼女のコスメには「これ以外ない」というほど似合っていました。

それから18ヶ月。完成した最初のコレクションは、原色の顔を描くための特注缶入クレヨンセットと、黒・白・赤・シルバー・からし色のネイルからなる奇妙なものでした。でも、これが大ヒット。

マリーのコスメは彼女が今までデザインしてきた服と同じ印象、同じくらいのインパクトがありました。

「先入観にとらわれず、自分の好きな色を自由に選んで、自分のオリジナリティを活かしたメークを楽しんで欲しい。自分で工夫して美しくなる・・・私のコスメはそのために創られたものだから。」

マリーは、こうして「堅ぐるしい、おしきせの化粧」という概念をうち破るための新たな一歩を踏み出したのです。

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